Dream Theater : Systematic Chaos

米Prog-Metalバンド ドリームシアターの2007年作。9枚目

前作Octavariumから約2年ぶりのフルアルバム。改めて考えると6枚目の Six Degrees of Inner Turbulenceから12枚目Dream Theaterまで全部2年おきにリリースしてる?そう思うとハイペースにこのクオリティを連発しているんだなあと驚嘆

 

1&8 In The Presence of Enemies

一つの曲を2つに分割してアルバムの最初と最後に置いたなんともトリッキーな配置。ただこれはPink FloydのWish You Were Hereとか King Crimsonの Larks' Tongue in Aspic のオマージュであろう。まあそんなことはどうでもいいとして

1曲目のpart 1のほうは何となくアルバム全体のイントロダクションという印象が強い。イントロのタララララと流れてくるフレーズは、まさにこのアルバム全体に流れる雰囲気を表しているように思う。ダークテクニカルプログレッシブだ

part 2 の良さに気づくのにはそこそこ時間がかかった。なぜなら 7曲目の The Ministry of Lost Soulsがかなりの長尺曲で、聴き終わった後かなり体力を使っているのにもかかわらず、次のpart 2は16分というそれ以上の長尺で、しかもイントロがなんとも陰気でねちっこいベースのフレーズで少々聴く気が失せたからだ

しかもベースのフレーズを聴き終わっても相当なスローテンポが続きなんとも眠くなるのです

ところがどっこい、中盤から3連のギターリフとともに、DTにしては珍しい観客一体型のような曲調に変化。ここのDTらしからぬ掛け声がなんともきもちいい。これまでにない長尺曲だ。

そして、part 1 のフレーズが聞こえてきたと思ったらpart1のギターソロのフレーズをボーカルでなぞり、壮大なラストを迎える。「ダークマスター」とかいうなんともむずかゆく、お笑いのような(正しい意味は知らない)フレーズで締めるラストは圧巻。正直数ある長尺曲の中で結構上位に来る。なんか妙にツボを押さえてくるんだよな

 

3.Constant Motion

このアルバムを引っ提げてのツアーのタイトルはChaos in Motionであった。

それはさておき、この曲、たぶんDTを知らない人が聞いたら「変拍子すげえ...」となるような気がするが、DT流変拍子に慣れた身にとってはベタな変拍子なんだと気づく。曲としての魅力はそこそこかな。ファンの人すみません

4. The Dark Eternal Night

タイトルが最高だ。

この曲がこのALで一番とっつきやすいんじゃないかと思う。このリフこそまさに「変拍子すげえ」だし、こんな変則的かつかっこいいリフそうそうお目にかかれない。ボーカルパートはなんだかマイキーの趣味全開のようなラップライクで、これはこれで曲にマッチしている。そしてなんといっても聴きどころは中盤のわけのわからないインストパートだ。曲展開を追うだけでも一苦労

ところでこの曲、2017年のImages & Words再現ツアーの1曲目を飾ったが、いまだに意味が分からない。大好きな曲なので聴けてうれしかったが、I&Wとはかすりもしない曲調で、まあ逆にかすらないからこそ選ばれたのかもしれないが、謎のままである

そんなに人気曲というイメージもないし。もっといえばこのアルバム自体ファンには不評というか駄作としてとらえられているような感がある。君たち! あと5回通しで聴けばきっとこのアルバムの魅力に気づくはずだ! とくにIn The Presence of EnemiesとThe Dark Eternal Nightは名曲だ!そのほかはまあ知らない。

ところで世の中にはこのアルバムどころか Metropolis Pt2;Scenes From A Memoryですら退屈な駄作扱いする人がいて驚く。これがImages And Wordsになるとほとんどそういう人は見かけないが、そういう人もいるんだなあと。好みは千差万別というが、このALを聴きに来ている時点でおそらくImages&Wordsは通過しているはずで、長尺曲やラブリエの歌声にも慣れているはずで、そのうえでMetropolis Pt2をひどくこき下ろすのはもうなんだかああもったいないなあと

なんだかんだでどんな駄作も楽しめる人が一番人生楽しいに違いない

 

Circus Maximus : Nine レビュー

アルバム「Nine」

確かノルウェーのバンドCircus Maximusの2012年作。3作目

このアルバムが発売された後あたりに日本のLoud Park 2012に参加し、日本での知名度を上げた

パフォーマンスに当たってメンバーが各々の日本でライブすることがどれだけ嬉しいか語っていた

次回作「Havoc」のDeluxe Editionにそのときのライブ音源が収録されていることからも鑑みて、思い出深いステージになったのではないか

なんだか嬉しい

本題に入ってこのアルバム、コンパクトに要領よくまとめた曲が多い印象。プログレメタルというよりはちょっと技巧派のメタルバンドな感じだ

そんな中で堂々たる風格を示すのが2.Architect of  Fortune

10分越えの大作で、イントロの重厚なリフが印象的だ

最もヘヴィで、それに対比して美しい歌メロ、綺麗な歌声

プログメタルの名曲の仲間入りだ

10曲目:Last Goodbyeも儚げだがポップで明るい曲。タイトルから察するにお別れの曲な気がする

別れといっても永遠の別れとか死別という感じではなく出稼ぎの別れや上京の別れと行ったプラスのイメージ

アルバムの最初と最後が気持ちいいのですらっと聴ける。中毒性があり繰り返し聴いてしまう。耳あたりもいいし