人間椅子 : 桜の森の満開の下

桜の森の満開の下とは、和ヘヴィメタルバンド人間椅子が1990年にリリースしたアルバム。2作目

1枚目のアルバムにも同名の楽曲があるが、それとこのALとのつながりは知らない。ちなみに、WordやPowerPointで「桜の森の満開の下」と打つと、「接続詞 ''の'' が連続しすぎです」と怒られる

 

デビューして間もなくイカ天に出演し、良くも悪しくも注目を集めた彼ら。その注目の中リリースした前作はそれはもう素晴らしいクオリティだった。それに比べて今作、どうも見劣りする気がする。ただ、このALがどんなに優れていようと、またどんなに駄作でも、結局彼らは世間から脚光を浴びることはなかったんじゃいかなあと思う。ここ日本において、HR/HMというジャンルはどうもあまりウケが良くないようだ。まあこのジャンルを毛嫌いする人がいるのも分かるし、そもそも興味がないとか、聴くキッカケが無いとか、ダサいだとか、耳障りだとか、暑苦しいだとか、いろいろと罵詈雑言は聞こえてくるのも分かる。僕も高校1年のころ初めてPainkillerを聴いて、「うるさいだけじゃん」と頭が痛くなったのを覚えている。それを克服するんだ!その先にはライブ会場に赴き、イントロのドラムソロでヘドバンする自分が待っているぞ!あとSinnerで絶叫してるぞ。それとGreen Manalishiを合唱してるぞ

 

5.夜叉ヶ池

前半はアコースティックにしんみり、後半はヘヴィに疾走する、ヘヴィメタルの様式美ともいえる展開を見せる。

ライブでは12弦ギターが登場するこの曲。ワジーが12弦を構えたら、たいていこの曲を演奏すると思っていい。近年はサビの高温が苦しいのか、キーを幾ばくか下げて演奏される

 

10.太陽黒点

このALで気に入った曲について書こうと思ったらこの2曲しか無かったん

 

 

夢日記2

とある喧騒の中、自分は警察官の制服を着ている

道端に倒れている男性を殺す

周囲にはばれていない、落ち着いた様子で歩いてその場を去る

道中、警官の前を通り過ぎる

はは、今しがた殺人を犯した男が目の前を歩いているのに何も干渉してこない

少し緊張しつつもその場をやり過ごした

家に到着し、家族と共に過ごす

同棲していないはずの祖母がいたがまあ気にしない

どうやら殺人は家族にはばれているようだが、かばってくれているようだ

警官らしき男が家に訪れる

(補足:よく刑事ドラマで、犯人しか知りえない情報をうっかり漏らしてしまい、それが逮捕につながるという展開がある。探偵が犯人と思しき人物をうまく誘導し、その情報を引き出すのだ。その質問を''誘導尋問''と称しよう)

警官らしき男がいろいろ話していたが、帰り際にさりげなく''誘導尋問''をした

その瞬間、その男の背後で、家族が驚きと緊張の面持ちを見せる

その緊張は「その質問は''誘導尋問''だ、ばれるような返答はするなよ」の含みを示すものだ

運よくその''誘導''に気づいた私は、何とか無難な返答をする

ただそこには、明らかな不自然が現れていただろう

男は微笑を見せたまま去ってゆく

ああやばい、何がやばいって身内から殺人者が出た家族の心情だ

これからどう家族と接していけばよいのだろう?

なんとかかばってくれているようだが、いずれ捕まることは明らかだ

殺したことへの罪悪感というよりは、家族に対して面目が立たないという気持ちが強い

この罪悪感、緊張感はなかなかどうして、耐えられたものではない

 

早朝5時、起床

ああよかった、殺してなんかいなかったんだ

だが、2度寝するとあの夢の続きを見てしまいそう

人間椅子 : 人間椅子

人間椅子」とは、日本のヘヴィメタルバンド・人間椅子が1989年にリリースしたデビューアルバムである。デビューアルバムにセルフタイトルを冠するのはまあ定番といえば定番で、下手に凝ったアルバム名にすると「どっちがバンド名だ」の事態に陥るだとか、そもそもバンド名すら覚えてもらえないとかの事態に陥るため、このケースが多いという。ちなみにバンド自体の知名度が十分に高くなった時点でセルフタイトルのアルバムを出すこともあるが、これはそのALが自信作だとか、1つの時代の区切りだとか、はたまた特に理由はないとかいうパターンもある。

 

1.鉄格子黙示録

ギターボーカルのワジー(和嶋さんの愛称)が高校3年のとき作ったというインスト曲。当時からベースボーカルのスズケン(鈴木さんの愛称)とバンドを組んでいた彼だが、当時作っていた曲はまるで歌謡曲のようなものが多かったという。当然こんなALを出すような彼ら、歌謡曲にはほとんど興味がなく、ワジーの作る曲にもほとんど興味を示さなかったという。ところがこの曲を作りスズケンに聴かせたときは違っていた。奇妙な変拍子、ダークなメロディーにスズケンは虜になったらしい。確かに分かるぞ。こんなメロディ聴いたことがない。

2.針の山

僕が最初に聴いた人間椅子の曲は確か宇宙からの色だったと思う。PVを見た第一印象は「この坊さん頑張ってるな」みたいな感じだった。ほお、こんな職業でいっぱしのメタルやるとは、世の中には変わり種がまだまだいるんだな。見た目こそは完全なイロモノだったが、音、とくにリフに関しては完全なるメタルだったため人間椅子というバンドが気になり、他の曲を漁った。その1つにこの針の山があり、2010年のライブ映像(徳間ジャパン公式チャンネル)を見た。ドラムのカウントとともに「最後一発針の山」というMCが入り、怒涛のリフが入ってきた。あの坊さん、なかなか舞台の上でもはしゃいだMCするんだなと思った。針の山に関しては、リフ、まくしたてるようなボーカル、そしてしっかりとした演奏技術によってハマっていた。そしていろいろな曲を聴き、バンドの生い立ち等も知るようになり、彼がお坊さんではなくただのコスプレであることを知った。そんなこんなで、この曲がおそらく僕が人間椅子にハマるようになったきっかけだ。その後、ライブにも何度か足を運んだが、やはりこの曲が一番盛り上がるし、バンドとオーディエンスの一体感はすごい。

ところで余談だが、あるライブ会場でライブをしていた際、スズケンが観客席の後ろのほうにお坊さんの格好をした人を見つけたらしい。スズケン曰く、自分のコスプレをした人が会場にやってきたと思ったらしいが、実はその人、本物の坊さんだった。本物が持つ内なる人徳に、コスプレをしている自分がいたたまれなくなったとコラムに書いていた。

3.あやかしの鼓

もはや一見さんお断り、マニア以外お断りのような曲調のこの曲。このリフやベース音はなんと形容したらいいだろう。ねばねばとかぬるぬるとかどろどろとかだな。

この「あやかしの鼓」のタイトルは夢野久作の同名の小説から来ている。この曲がきっかけにその小説を読んだことがある。このパターンは何度もあり、もともと江戸川乱歩など読んでいなかったが、今では全集を図書館で借りて読むほどになった。その本のうちに潜む狂気には何度も戦慄させられたし、創作意欲を掻き立てられるような思いもした。偉大な作家を教えてくれた彼らには感謝です。あと痴人の愛もよかったなあ。

 

4.りんごの泪

これも聴き初めのころよくライブ映像とともに聴いていた曲。例の2010年のライブは相当にクオリティが高かったと思う。楽曲のもともとの良さは言うまでもないとして、ギターのカッティングのフレーズや跳ねるベースはやはりライブ版のほうが堪能できる。ちなみに涙と泪には字面の違いこそあれ指すものは全く同じらしい。漢字の成り立ちが違うだけのようだ。なお、涕もなみだと読むが、これは漢文で使う何からしい。涕が目から流れる涙で、泗は鼻から流れる涙、つまり鼻水を意味するようだ

 

6.天国に結ぶ恋

まず歌詞が気に入った曲。HR/HMを聴くにあたって歌詞なんてボーカリストが声を出す言い訳くらいにしか考えていなかったが、この歌詞にはひれ伏した。偏屈で陰気な情愛こそ至高・・・

ここまで猟奇的な歌詞ってほかにあっただろうか。聞き逃してるだけかもしれんが、おそらくなかったように思う。月経の血とか乳房の××だとか、それらの歌詞が乗っても違和感のない曲調、アレンジ。そしてこの世界観を的確に表現し、さらにアップグレードさせるワジー渾身のシャウト。この曲が最もこのアルバムの雰囲気を如実に表しているように思う。

一度ライブでこの曲を聴いたことがあるが、CDだと逆再生で伏字になっている歌詞を公然と歌っていた。ところでこの伏字は彼ら自身の自主規制なのか、所属レーベルの自主規制なのか、それともあえて伏字にすることでより猟奇的な雰囲気を醸し出そうとしたのかどれなのだろう。思えば乱歩の(割と最近の文庫本サイズの)全集を呼んでいた際、頻繁に伏字が入っていたのを思うだした。伏字になる部分はたいてい倫理的にやばいところだとか、当時はそうでもなかったが現代では差別的な表現で不適切だとかの理由があった。だが、伏字にすることで想像の余地が生まれ、どれほどの狂気が潜んでいるかよりワクワクさせるものであったことも事実だ。彼らが呼んだ乱歩(あるいはほかの小説)に伏字が多用されていたかは知らないが、隠すことによる一層の狂気を狙った可能性も十分に考えられる。実際、乳房の皮をなめすって確かに十分に猟奇的だが、そんなに倫理的にアウトなことなのかも分からない。分からないが、「君の乳房の××して」とされると、そこの想像は止まることを知らない。

「天国に結ぶ恋」は、1932年公開の映画のタイトルで、この映画は実際の事件坂田山心中事件を題材としている。ある若者のカップルがいたが、女性の両親が結婚に反対し別の縁談を進めようとしていた。そのためカップルは家を出、劇物(塩化第二水銀、致死量0.2~0.4g) を服役し自殺した。その後、女性の死体が何者かによって盗まれる事案が発生。翌日、近場の砂浜で発見され、「女性の遺体は綺麗だった」との報道がなされた。これにより、二人はプラトニックラブを育んだと世間に知られ、新聞も「純潔の香高く 天国に結ぶ恋」と大々的に報じた。この事件を映画化したのが上述の「天国に結ぶ恋」である。この映画が上映された当時、カップルによる後追い自殺が多発してしまった。映画館で上映中に彼らが使ったのと同じ劇物を服用したり、坂田山に入り心中したりがあったようだ。そのことにたいする責任を問う声も大きかったが、それより映画に対する称賛のほうが大きく、続編も作られることになったという。なお、単なる一介のカップルである彼らの心中がここまで大きく報じられたのは、彼らの身分の高さに由来するものが大きいらしい。

いろいろ書いて思ったが、この事件に猟奇的な部分は「死体が持ち去られる」部分だけで、歌詞に出てくるような諸々は関係がないように思えた。まあタイトルを引用するだけでその映画及び事件がもつ強烈なイメージを曲に持ち込めるという点で十分に意味のあることではあるが。これは確か本人が語っていたことで、文学作品のタイトルを拝借することで、オリジナルのタイトルを考えるより強烈なインパクトをリスナーに与えることができるし、その作品が持つイメージを借りることで、曲の世界観を作ることが容易になるという。ほおおおおおんなるほど

 

7.悪魔の手毬唄

相当地味な曲だが、やはり肝となるのは後半かな。曲調自体はあやかしの鼓にも通ずるドゥーム路線だが、こちらのほうが陰鬱さでは上だ。

11.桜の森の満開の下

はああ好きだ。このALでは天国に結ぶ恋と並んでツートップ。なんかこの曲のスズケンボーカル、声が全く違うように感じるのだが。良し悪しとかではなくてなぜなのか気になる。

この曲はモロBlack Sabbath色が出た曲だなと思う。イントロはElectric Funeral、中盤の転調はもはやお約束、アウト路の大仰な感じはUnder The Sun を思い起こさせる。そういえば最近Black Sabbath聴いてないな。Under the Sunのタイトルがなかなか思い出せないくらいには聴いてなかった。思えば高校のころからBlack Sabbathを聴いていたが、どこが当時の自分に刺さったのだろう? 多分Ozzyのボーカルには以前からハマってたから一番の要因はそこかな。あとアイオミ先生のドロドロした感じ、他のバンドでは味わえない感じにハマったのだろう。当時はMaster of RealityがALとしては一番好きで、曲単体ではWar Pigsが一番好きだった。今になってもそこらへんはあんまり変わらないが、最近ではSabotageが妙にグッとくる。 Symptom of the Universeとか Hole in the Skyあたりは言うまでもなく素晴らしいが、MegalomaniaとかThe Writ がなんだかたまらない。前者は延々と繰り返されるフレーズが薬のように感じることがあるし、後者はOzzyのキレッキレのボーカルと後半のお花畑のようなパートの対比にくらっと来るんす

 

ところでこのAL、全てのALと比較してもバラエティ豊かでポップな曲もあり、割りと聴きやすい部類に入るものだと思っていた。しかし以前、僕と同様にプログレッシブロック等を聴いていた知り合いの人にこのALを薦めた際、帰ってきたのは「(悪い意味で)気持ち悪い」というものだった。その知り合いはPink Floyd やピクシー(よく知らない)、はたまた日本の変わり種バンドあぶらだこを愛聴するような、いわばキワモノ慣れした方であったが、どうもこのALには馴染まなかったようだ。そこで改めて、ああ好みというものは千差万別なのだなあと感じた。その彼もサバスのMaster of RealityやOzzyのトリビュートアルバムには好反応だっただけに、もう何が何だかわからない

からしたら あぶらだこ の木盤のほうがよっぽど難解でマニアックな音楽をしてるように思えたし。その彼に、「Youtubeのコメント欄で「訳がわからないの感想を抱かせたのもあぶらだこの思惑通り」の旨のコメントを見た」と言ったところ、「そういうことじゃないんだよなあ」と彼はいった。ああこの人、あぶらだこの本質というか聴きどころを理解してるよ・・・ 少し恐ろしくなった。

Annihilator : Alice In Hell

カナダのスラッシュメタルバンド・Annihilatorの1989年作。1枚目のスタジオアルバム

初見ではまず読めないバンド名におののくが、Annihilateとは「殲滅する」「全滅させる」の意味のようだ。メタルのおかげでまたこの手の単語を覚えてしまった。SlayerにJagulatorときて今度はAnnihilateか・・・

 

第一印象は「スラッシュと銘打ってるわりにBPM低い」だった。スラッシュといえばSlayerの6弦0フレ高速刻みのイメージだったため、これは意外だった。ただ、その分刻みの1音1音がエッジが効いているというか、ザクザク感は随一だ

1&2 Crystal Ann &Alison Hell

もはやメタルアルバムの伝統芸能、1曲目に小インストによるイントロダクションからのキラーチューンパターン。だがこのALの場合、2曲目のAlison Hell単体でインスト+本編のような曲の構成なので少し事情が違う。言うなればMetallicaのFight Fire With FireとかBatteryの前に小インストが入るようなもので、そういう意味で定番とは少しずれている。ただ、このパターンはX Japan のアルバム「Jealousy」にも存在し、こちらは「いきなり2曲目のSilent Jealousyで始めると違和感があった」のような理由だったと思う。その流れで1曲目に小インストを配置したのか?詳しい理由は知らないが、このインスト、ありがちな曲調ながらダークさと期待感を煽る盛り上がりが共存した良曲だ

そして2曲目のAlison Hell だ。イントロの3連で疾走する頭の悪そうなパートがまず耳に残る。そして、やはり最も印象的だったのはボーカルのバックで延々と奏でられる刻みだ。ライブの映像で確認した結果、この刻みはすべてダウンピッキングによるものだった。「ダウンで弾ける速さならダウンで弾く」がスラッシュ界の掟となっているのかもしれない。この風潮を作ったのは多分メタリカ、それも特にMaster of Puppetsだと思う。あの右手のもはや人とは思えない動き、そしてそこに流れる哲学に魅了される人は多い。Master of Puppets、あとCreeping Death、そしてBlackend等の曲をオルタネイトで弾くと謎の集団から糾弾されるらしい。あのDream Theaterのギタリスト John PetrucciがアルバムMaster of Puppetsの再現ライブを行う際、曲Master  of Puppetsのリフをオルタネイトで弾いた。そのライブ映像がYoutubeに上がった際、コメント欄には「Alternate ?」の文字列で溢れかえったという。対照的に、素人の「弾いてみた」動画内でダウンピッキングで弾くと、称賛のコメントにあふれるらしい。もはや宗教で洗脳だが、そんな馬鹿っぽさ、信念もひっくるめてスラッシュメタルが好きだ

 

3.W.T.Y.D

「タイトルの意味は曲を聴けばわかります」旨のコメントを見たが、そりゃ確かに歌詞を聴いてればわかるかもしれんが、実際のところ歌詞をちゃんと聞こうとしてる人ってどのくらいいるのだろう? とくにこのジャンルにおいて、英詩をよく理解しようとする人に出会ったためしがない。よってこのタイトルがwelcome to your deathを意味することなど知る由もない

曲のほうは、スラッシュ特有の刻みというよりはバッキングのリフが耳に残った。アルバム全体に思うが、リフが秀逸だなと思う。AL全体で何個くらいリフがあるのだろうか。1曲につき5個くらいとすると40~50個くらいか?

6.Word Salad

上にも書いたが、リフ何個あるんだ?な曲だ。もはやインストを聴くかのようにギターしか聴いていない自分がいる

7.Schizos(Are Never Alone) Pts.1&2

スローパート~高速刻みの展開は、まるでSlayerのHell Awaitsのようだ。洪水のように展開が流れつつ冷酷な刻みパートに展開する様がそっくりだ

 

 

 

Dream Theater : Metropolis Part2 Scenes From A Memory

プログレッシブメタルバンド ドリームシアターの1999年作。5枚目のフルアルバム

米と書いたがベーシストのJohn Myungはどっかの国と韓国のハーフだったの思い出した。

 

さてこのアルバム、僕がドリームシアターに本格的にハマるきっかけとなったアルバムである。当時メタルといえばBlack SabbathとかJudas Priestとかもはやレガシーともいえるようなバンドしか聴いていなかった自分に、知り合いがDream Theaterを教えてくれた。とりあえずネットで一番評価の高かった3枚、Images And Words 、AwakeとともにこのALをレンタルし、この順で聴いていった覚えがある。偶然にも最初にI&Wを聴き、その教えてくれた友人に「ドリームシアター良いわ~」とか語っていると「君に良さが理解できるとは」のようなニュアンスの言葉をかけられたことは今も忘れない。

そしてI&Wをそこそこ堪能した後、Awakeを聴いた。1曲目の6:00のイントロで「あら?」と違和感を抱いた。正直今になってもAwakeの1~3曲目にはハマってない。

それはともかく、次にこのメトロポリスpart2を聴いた。第一印象は「似たような音色で眠くなるAL」であった。I&Wのキラキラした印象はどこへいった。そんなことを思いつつも機会を見つけては聴いていると、不意に5.Fatal Tragedyのアウトロのインストバトルが耳に残った。お、このスリリングさいいじゃん、と。それをきっかけにFatal Tragedyのみをしっかり聴くようになり、もうそこからは全編を通しで聴くようになり、AL全体の一体感統一感、すべての曲の魅力を理解しハマっていった。1日2回通しで聴くのを2週間ほど続けていた時期があったように思う(すこし盛っている可能性がある)。それくらいハマった。

 

1.Regression

AL全体のイントロ的小曲。実際のところ、このAL、コンセプトアルバムでRegressionも精神退行とかいう深そうな意味だが、ストーリーは全く理解してない。なんでセリフがどうしゃべろうともはやどうでもいい

この曲の最後、10から1までカウントダウンしていくが、7と6の間と3と2の間でなんかセリフが入るのが妙にツボに入った(笑ってしまうという意味で)。

2&3 Overture 1928 & Strenge Deja Vu

初聴のインパクトは薄いが、聞けば聞くほどそこに良質なメロディがあることに気づいた曲。DTにしては珍しい歌モノ。とくにサビの部分は開放的かつメジャーなメロディーで、歌うとすごく気持ちがいい

6.Beyond This Life

正直あまりこの曲に対する思い入れはない

ただ、中盤のボーカル&ドラムバトルはスリリングで興奮モノ

8.Home

このALの中で12.Finally Freeと並んで好きな曲。AL中最もヘヴィなリフしかもワウワウ言っている。この曲のハイライトはやはりサビで、サビのボーカルラインのはかなさ、物憂げさもさることながら、バッキングのギターが秀逸。ストーリーは知らないが、なにか悲劇的なことがあったに違いないフレーズがバックで奏でられる。

9.The Dance of Eternity

2014年のライブでの映像で何回もこの曲を見たが、相も変わらず演奏技術はすごかった。弦2人のユニゾンするパートは毎回笑う

12.Finally Free

2000年のライブアルバムと2014年のライブ(Mike PortnoyとMike Mangini)のアウトロ

ドラムプレイを聴き比べると、前者はもうドラムソロばりに叩きまくっているが、後者はCD音源よりも控えめだ。もっとたたけばいいのにと思うが、あえてそうしない理由はなんなのだろう? そういえばScarredもそんなパターンがあったな。Chaos In MotionツアーのポートノイのドラムプレイはCDから圧倒的にアレンジを加え、(好みは分かれるかもしれんが)とてもカッコよくなっていた。アウトロだけでなく全編のアレンジだった。マンジーニの場合、ほぼCD音源の再現だったように思う。まあ加入してあまり年月経ってないしそんなものなのか?

 

1通りドリームシアターのALを聴いて、聴きこみ具合に差はあれどだいたいを理解したうえで、1番好きなALを決めるとするとこのMetropolis Part2か、Train of Thought になる。AL全体に音色の統一感があるという点が共通している

壮大なバラードの存在があったりヘヴィな曲、ポップな曲などバラエティという点では前者が優れており、1曲1曲の精度やとびぬけたクオリティの曲があるという点では後者優れている。この2枚に関してはどちらが好きか決めることはできない

でもどちらかしか聴けないという謎の状況に追い込まれたらたぶんMetropolis part2を選ぶだろう。いろんな曲が入ってるし

 

2019年に発表20周年を記念してMetropolis Part2 再現ツアーが行われることが決まった。DTとしては再現ツアーはI&Wに続き2例目。現在、来日情報はないが、おそらく来日してくれるんじゃあないかと思う。前回は全国5か所ほど回ったと思うし、日本でも相当人気だからな。楽しみにしてます。頼むぜクリエイティブマン

Dream Theater : Systematic Chaos

米Prog-Metalバンド ドリームシアターの2007年作。9枚目

前作Octavariumから約2年ぶりのフルアルバム。改めて考えると6枚目の Six Degrees of Inner Turbulenceから12枚目Dream Theaterまで全部2年おきにリリースしてる?そう思うとハイペースにこのクオリティを連発しているんだなあと驚嘆

 

1&8 In The Presence of Enemies

一つの曲を2つに分割してアルバムの最初と最後に置いたなんともトリッキーな配置。ただこれはPink FloydのWish You Were Hereとか King Crimsonの Larks' Tongue in Aspic のオマージュであろう。まあそんなことはどうでもいいとして

1曲目のpart 1のほうは何となくアルバム全体のイントロダクションという印象が強い。イントロのタララララと流れてくるフレーズは、まさにこのアルバム全体に流れる雰囲気を表しているように思う。ダークテクニカルプログレッシブだ

part 2 の良さに気づくのにはそこそこ時間がかかった。なぜなら 7曲目の The Ministry of Lost Soulsがかなりの長尺曲で、聴き終わった後かなり体力を使っているのにもかかわらず、次のpart 2は16分というそれ以上の長尺で、しかもイントロがなんとも陰気でねちっこいベースのフレーズで少々聴く気が失せたからだ

しかもベースのフレーズを聴き終わっても相当なスローテンポが続きなんとも眠くなるのです

ところがどっこい、中盤から3連のギターリフとともに、DTにしては珍しい観客一体型のような曲調に変化。ここのDTらしからぬ掛け声がなんともきもちいい。これまでにない長尺曲だ。

そして、part 1 のフレーズが聞こえてきたと思ったらpart1のギターソロのフレーズをボーカルでなぞり、壮大なラストを迎える。「ダークマスター」とかいうなんともむずかゆく、お笑いのような(正しい意味は知らない)フレーズで締めるラストは圧巻。正直数ある長尺曲の中で結構上位に来る。なんか妙にツボを押さえてくるんだよな

 

3.Constant Motion

このアルバムを引っ提げてのツアーのタイトルはChaos in Motionであった。

それはさておき、この曲、たぶんDTを知らない人が聞いたら「変拍子すげえ...」となるような気がするが、DT流変拍子に慣れた身にとってはベタな変拍子なんだと気づく。曲としての魅力はそこそこかな。ファンの人すみません

4. The Dark Eternal Night

タイトルが最高だ。

この曲がこのALで一番とっつきやすいんじゃないかと思う。このリフこそまさに「変拍子すげえ」だし、こんな変則的かつかっこいいリフそうそうお目にかかれない。ボーカルパートはなんだかマイキーの趣味全開のようなラップライクで、これはこれで曲にマッチしている。そしてなんといっても聴きどころは中盤のわけのわからないインストパートだ。曲展開を追うだけでも一苦労

ところでこの曲、2017年のImages & Words再現ツアーの1曲目を飾ったが、いまだに意味が分からない。大好きな曲なので聴けてうれしかったが、I&Wとはかすりもしない曲調で、まあ逆にかすらないからこそ選ばれたのかもしれないが、謎のままである

そんなに人気曲というイメージもないし。もっといえばこのアルバム自体ファンには不評というか駄作としてとらえられているような感がある。君たち! あと5回通しで聴けばきっとこのアルバムの魅力に気づくはずだ! とくにIn The Presence of EnemiesとThe Dark Eternal Nightは名曲だ!そのほかはまあ知らない。

ところで世の中にはこのアルバムどころか Metropolis Pt2;Scenes From A Memoryですら退屈な駄作扱いする人がいて驚く。これがImages And Wordsになるとほとんどそういう人は見かけないが、そういう人もいるんだなあと。好みは千差万別というが、このALを聴きに来ている時点でおそらくImages&Wordsは通過しているはずで、長尺曲やラブリエの歌声にも慣れているはずで、そのうえでMetropolis Pt2をひどくこき下ろすのはもうなんだかああもったいないなあと

なんだかんだでどんな駄作も楽しめる人が一番人生楽しいに違いない

 

Dream Theater : Black Clouds & Silver Linings

プログレッシブメタルの雄・Dream Theaterの2009年作。記念すべき10枚目のスタジオアルバム

CDに収録できる時間目いっぱい使って6曲というとんでもない大作志向だ

この大作志向はまあ昔からだけどやっぱり16分と19分が共存するってのはインパクトがでかい

抜粋

1.A Nightmare To Remember

初めて聞いたときは序盤のヘヴィに疾走するリフが特に印象に残ったのを覚えている。そしてそのとき電車に乗っていたが、後半にたどり着くまでに寝てしまっていたのも覚えている。長い曲だった。

その後改めて何回も聴いたが、これはまさにプログレッシブメタルを体現している曲だと思うようになった。序盤のメタル要素のかっこよさは筋金入りのものだし、後半のバラードパート・ラップ・ブラストビートと、もう何でもあり状態だ。まさにプログレッシブ

このアルバムにはなんとなくヘヴィで重厚なアルバムだという印象を持っているのだけど、ヘヴィな曲はこの1曲目と、しいて言うなら4曲目くらいしかない。なぜそんな印象を持っているか考えると、やはりこの曲、特にイントロの重々しさが原因だろう。ひたすらダークなキーボード(なんか名前あった気がするが忘れた)、マイキーのツーバス

それほどまでにこのイントロの印象は強い。これを1曲目に配置していたドリームシアターが好きだ

2,3曲目は特にいうことはない

4.The Shattered Fortress

つづりがあってるかは知らない

これまでのアルコール中毒克服ステップ総集編。まさかのメドレー形式

Repentance自体はまあそこそこっていう感想だったが、この曲に入るといい味だしてる

アルコール曲はThe Grass Prison とThis Dying Soulがすごい好きで、他はそこそこって感じなのでまあこんなもんでしょう

5.The Best of Times

近所の展望台で聴いたのを思い出した

イントロが無駄に7/4拍子だと気づいたのもその展望台だ

ベタな感想だが、ギターソロがグッド

6.The Count of Tuscany

中盤~後半の静寂からのアコギ、そして感動のコーラスパート がこのアルバムのハイライトであろう。このコーラスパートを聴いたらラブリエを解雇しろなんて口が裂けても言えなくなるぞ。どこか物憂げな歌声がマッチしていてな

歌詞の意味は全く分からないが多分いい歌詞なんじゃないの

 

このアルバムを最後にマイク・ポートノイが脱退した。それ以降のアルバム4作は聴いているが、僕はやっぱりマイキーがいたころの作品が好きだ。その4作をちゃんと聞き込めたか分からないが、正直改めて聞こうと思う曲はBreaking All IllusionsとIllumination Theory、あとThe Enemy Insideくらいしかない。なんとなくThe Astonishingは聴きこめばハマる気がしている。4回くらい通しで聴いたが、まだその深みにはハマれていない。最新作Distance Over Timeも3回ほど通しで聴いたが、なんだかこれまでと全く違うバンドになったかのような印象だ。僕が彼らに期待するものと彼らが作りたいものに乖離があるのかもしれない。僕は往年のファンのようにImages & Words part 2を作れと言っているわけではなくて、Train of Thought路線でもSystematic Chaos路線でも、もちろんI&W路線でも、なにか突き抜けた、とがったアルバムを期待している。その意味でThe Astonishingは期待には沿っていた。だから僕自身も向き合って聴いているが、結果は上述の通りだ。ただ、このアルバムだけはこれからも時期を見つけて聴いていくつもりである。

最近In The Presence of Enemiesのライブバージョンを聴きまくり上のような考えをめぐるようになったのであった。このダークプログメタルはほかに知らない